はじめてのエシカルファッション

はじめてのエシカルファッション:SNSでよく見る関連キーワードを知る

Tags: エシカルファッション, サステナブル, キーワード解説, 初心者向け, SNS

はじめてのエシカルファッション:SNSでよく見る関連キーワードを知る

近年、SNS上でエシカルファッションに関する情報や投稿を見かける機会が増えています。環境問題や社会課題への関心が高まる中で、「エシカル」や「サステナブル」といった言葉とともに、様々な専門用語や概念が登場しています。

これらのキーワードの意味を知ることは、エシカルファッションをより深く理解し、自分自身の選択肢を広げるための大切な一歩となります。今回は、SNSでよく目にするエシカルファッション関連のキーワードをいくつかピックアップし、初心者の方にも分かりやすく解説します。

なぜキーワードを知ることが大切なのか

エシカルファッションは、単に「環境に良い素材を使う」ということだけではなく、労働者の権利、地域社会への配慮、資源の循環など、多岐にわたる側面を持っています。様々なキーワードは、それぞれエシカルファッションを構成する特定の側面や取り組みを指し示しています。

これらの言葉が何を意味するのかを知ることで、情報の真偽を見極める力がつき、表面的なイメージだけでなく、その背景にある具体的な取り組みを理解できるようになります。これは、信頼できるブランドや商品を見つける上でも役立ちます。

SNSでよく見るエシカルファッション関連キーワード解説

ここでは、代表的なキーワードとその意味を解説します。

サステナブルファッション (Sustainable Fashion)

「サステナブル(持続可能)」という言葉は、環境や社会、経済に配慮し、将来にわたって継続可能なファッションのあり方全般を指します。環境負荷の低減(使用する水やエネルギー、化学物質の削減、廃棄物問題への対応など)や、労働者の権利保護、地域社会への貢献など、幅広い取り組みを含みます。エシカルファッションはサステナブルファッションの一部であり、特に人や社会への倫理的な配慮に重点を置く場合に用いられることが多い言葉です。

フェアトレード (Fair Trade)

フェアトレードは、「公正な取引」を意味します。特に発展途上国の原料や製品を適正な価格で購入することにより、生産者や労働者の生活改善と自立を目指す貿易の仕組みです。ファッションにおいては、コットンなどの原料生産者や、縫製工場の労働者に対して、安全な労働環境や適正な賃金、労働時間を提供することなどが含まれます。フェアトレード認証のマークがある製品は、一定の基準を満たしていることを示しています。

オーガニックコットン (Organic Cotton)

オーガニックコットンは、有機栽培されたコットンのことです。化学肥料や農薬を3年以上使用していない土地で、遺伝子組み換えではない種子を用いて栽培されます。従来のコットン栽培は大量の水や農薬を使用し、環境や働く人々の健康に大きな負荷をかけることが指摘されていますが、オーガニックコットンはそれらの負荷を大幅に減らすことができます。肌触りが優しいことも特徴の一つです。

アップサイクル (Upcycle)

アップサイクルは、本来であれば捨てられるはずの不用品や廃棄物に、デザインやアイデアを加えることで新たな価値を持つ製品に生まれ変わらせることを指します。単なる再利用(リサイクル)とは異なり、元の製品よりも価値の高いものを作り出す点が特徴です。例えば、古着のジーンズをバッグにしたり、廃棄されるはずだった布の切れ端を組み合わせて新しい生地を作ったりする取り組みがあります。これは、ファッション業界の大量廃棄問題に対する有効なアプローチの一つとして注目されています。(参考:着られなくなった服も諦めない!修理やカスタマイズで服を長く大切にする方法、低予算でも大丈夫!着なくなった服をリメイク・アップサイクルしてエシカルに楽しむ方法)

ヴィーガンレザー (Vegan Leather) / アニマルフリー (Animal-Free)

ヴィーガンレザーは、動物の皮革を一切使用しない素材です。「アニマルフリー」とも呼ばれます。環境負荷や動物倫理の観点から注目されており、合成皮革だけでなく、パイナップルの葉、きのこ、サボテン、リンゴの皮など、植物由来の素材を使ったものも開発・利用が進んでいます。ただし、合成皮革の中には製造過程で環境負荷が大きいものもあるため、素材の種類や製造背景を確認することが大切です。

サーキュラーエコノミー (Circular Economy)

サーキュラーエコノミー(循環経済)は、製品や資源が廃棄されず、繰り返し利用・循環される経済システムを目指す考え方です。ファッションにおいては、服を使い捨てにするのではなく、デザインの段階から修理やリユース、リサイクルしやすいように設計したり、レンタルやシェアリングのサービスを普及させたりすることで、資源の無駄をなくし、環境負荷を低減することを目指します。服の「一生」全体を俯瞰する視点が重要となります。(参考:服の「一生」を知る:生産から廃棄まで、エシカルな選択のヒント)

ゼロウェイスト (Zero Waste)

ゼロウェイストは、廃棄物を可能な限りゼロにすることを目指すライフスタイルや取り組みです。ファッションにおいては、製品を作る過程で出る生地の切れ端を最小限に抑えたり、出た切れ端をアップサイクルしたりすることがこれにあたります。また、消費者としては、不要な服を購入しない、手持ちの服を大切に着る、修理して使う、適切にリユース・リサイクルするなど、服に関する廃棄物を減らす様々な行動がゼロウェイストに繋がります。

キーワードから広がるエシカルな選択肢

これらのキーワードは、私たちが普段のファッションにおいてどのような選択ができるのかを示唆しています。

もちろん、すべてのキーワードに完璧に対応できる製品だけを選ぶのは難しいかもしれません。しかし、それぞれの言葉が持つ意味を理解することで、自分が何を大切にしたいのか、どのような選択をしたいのかを考える手助けとなるはずです。

まとめ

SNSで目にするエシカルファッション関連のキーワードは、一見難しそうに思えるかもしれませんが、その一つ一つがファッション業界の現状を知り、より良い未来のために私たちができることを考えるヒントとなります。

今回ご紹介したキーワード以外にも、様々な言葉があります。すべてを一度に理解する必要はありません。気になる言葉から少しずつ調べてみることで、エシカルファッションの世界がさらに広がり、自分らしい形で取り組みを進めることができるでしょう。完璧を目指すのではなく、まずは知ることから始めてみませんか。